髙建コラム
新築外構の失敗例から学ぶ 失敗しないためのポイントとは?
家を新築する際には、家族の生活を思い浮かべて家の中の間取りや動線を考えますよね。一方で、玄関を一歩出てからのこと、つまり家の外のことは意外とおろそかになりがちで、外構工事をおまけのように考えて業者任せにしてしまう方もいるようです。
しかし、外構部分は毎日の動線に含まれる重要な部分です。外構部分に関しても、機能やデザインなどを家の中と同様にきちんと考える必要があります。しっかりと考えていないことで完成後に思っていたものと違った、満足できないものになってしまったという失敗が起きてしまう恐れがあります。
そこで今回は、新築時の外構工事について、費用や注意点、そして参考になる失敗例、そして失敗しないためのポイントをお伝えいたします!
外構は新築での失敗が多い
漠然としたイメージで外構を依頼すると失敗してしまうかも
家を新築する際に、ほとんどの人は家の内装やインテリアなどには注力しますが、家の外装やエクステリアのことに関しては意外と細かく意見を言いません。しかし、庭、塀や門、デッキや駐車場など、新築の際に外構工事でまかなう部分は多いので、明確なイメージを持たないまま「お任せします」と業者に任せてしまっては後々後悔することになります。家の外構工事に関しても、内装工事と同様に可能な限り細かい部分まで希望を伝えて、理想の“見た目”を実現させるべきではないでしょうか。
新築外構の基本的な3つのパターン
オープン外構
オープン外構とは、隣地や道路との境界に塀やフェンスなどを設けないスタイルの外構のことです。開放感があり、視覚的にも広さを感じることができるのがメリットですが、人が侵入しやすいことや、しっかりとカーテンを締めないと中が丸見えになってしまうなど、防犯上の問題があることはデメリットといえます。
クローズド外構
クローズド外構とは、隣地や道路との境界にしっかりと塀やフェンスなどを設けて、一定のプライバシーを確保するスタイルの外構のことです。塀のフェンスの高さや材質にもよりますが、オープン外構よりは閉鎖的な印象を与えます。防犯上は人が侵入しにくいというメリットがありますが、逆に敷地に侵入した人が外からは見えにくいというデメリットもあります。
セミクローズド・セミオープン外構
オープン外構とクローズド外構の両方の要素を取り入れた外構がセミクローズド・セミオープン外構です。塀やフェンスのある/なしだけではなく、高さや素材などを場所によって変えることによって、適度に閉じた(あるいは開かれた)外構となります。
新築外構の費用はどれくらい?
外構工事の予算は、新築の総工事費用の10%が相場となっております(土地代除く)。つまり、3000万円の予算で建てるのであれば、300万円は外構工事の費用になるという計算になります。しかし、これはあくまで目安であって、凝ったデザインの外構にしたいのであればさらに100〜200万円追加することもありますし、逆に外構工事は必要最小限に抑えて内装に費用をかけたいのであれば10%よりも低くなることもあります。
よくある外構の失敗例
駐車場での失敗
駐車場が狭い
都心の狭小地住宅などでよく見かけますが、外壁や塀との間に十分なスペースがなく、ギリギリのところで車が収まっている駐車場があります。駐車場が狭いと車の出し入れをするたびに神経をすり減らすだけではなく、万が一ぶつかったり擦ったりでもしたら修理代がかさむので、駐車場の前後左右は十分に余裕を持って設計しましょう。
駐輪スペースがない
自転車送迎が必要な小さいお子さんや小学生のお子さんなどがいるご家庭では、自転車を複数台持っているということもあるでしょう。意外と忘れてしまいがちですが、自転車も車と同様にそれなりの駐輪スペースを必要とするので、外構工事の際には忘れずに考慮に入れましょう。
玄関から遠い
悪天候の時こそ使いたい車ですが、家の玄関から駐車場までが遠いようでは意味がありません。ほんの数歩の移動であっても、大雨の時などはびしょ濡れになってしまうこともあるので、家の玄関から駐車場は可能な限り近くに配置しましょう。
セキュリティ面での失敗
玄関での目隠しがない
塀や門などで玄関を遮るものがないと、家族や来客が出入りする際に家の中が丸見えになってしまいます。窓と違って玄関は開口部が大きく開け閉めも多いので、外から直接玄関が見えないように何らかの目隠しがあるとよいでしょう。
フェンスや門扉がない
フェンスや門扉は、目隠しとしての役割だけではなく、通行人や子どもに私有地と道路との境界を認識させる役割も果たします。境界が曖昧だと、通行人が通り抜けたり遊んでいる子どもが入ってきたりすることもあるので、フェンスや門扉などなんらかの境界があるとわかりやすいでしょう。
思いのほか夜に暗くなってしまう
夜になると家の周りが真っ暗になってしまうのは、道行く人に陰湿な印象を与えるだけではなく防犯上もよくありません。家の外構部分が暗いと、家の周りで起こっていることが認識されにくく死角も多くできてしまうため、空き巣などが人知れず侵入しやすい環境を生んでしまいます。さらに、家の周りが暗いと、夜帰宅した際に足元が見えず、転んだりぶつかったりする可能性もあります。
動線での失敗
よほどの豪邸ではない限り、玄関から門までは数歩〜数十歩かと思いますが、その少しの動線でも失敗することもあります。外構部分には駐車場や駐輪場のほか、物置や飼い犬の小屋なども置かれることがあるので、それぞれの機能や用途を考慮に入れて、混乱のないように動線を設計しましょう。
メンテナンス性に関する失敗
散水栓、屋外コンセントがない
庭で花や樹木を育てたり、駐車場で洗車をしたり、時にはバーベキューやDIYをやったりすることを予定しているのであれば、外構工事の際に散水栓やコンセントを忘れないように設置しましょう。洗車やバーベキューなどそれぞれのアクティビティを行う場所をよく考えた上で、できるだけ近くに設置しましょう。
草刈り、水やりの手入れが大変
外構工事の一部は、工事終了後にも手入れが必要な部分もあります。植栽や生垣など植物によって境界を設けた場合や、地面に芝などを植えた場合は、日常的な剪定や草刈り、水やりなどが必要になってくるでしょう。
その他の失敗
枡の位置、かさ上げでの失敗
住宅の外構部分には、「雨水枡」「汚水桝」と呼ばれる一時的に雨水や汚水を貯めておく枡があります。この2つの枡に溜まった雨水と汚水はやがて最終枡で合流し、そこから下水道へ流れ出ることになりますが、「雨水枡」「汚水桝」を設置する際に、配管などの関係で地面を高くすることがあります。
このことを知らずに、いざ外構工事をする段階になって、整地や水勾配をつけるために地面を掘削しようとすると、配管があるために工事ができないということも。そればかりではなく枡の位置がそもそも邪魔ということもあるので、枡の位置を決める際には最初から外構計画までを考慮に入れて、デザインの妨げにならないような配置にしましょう。
バリアフリーへの対応
家の中のバリアフリー化は進んでいますが、家の外構部分のバリアフリー化はまだそれほど進んでいるとは言えません。新築時には考えにくいかもしれませんが、数十年経ち、子どもたちが自立する頃には親世代はすっかりとシニア層の仲間入りをしています。親世代がやがて車椅子の生活になることも頭の片隅に入れて、外構部分もバリアフリー化しておくとよいでしょう。
新築外構で失敗しないために
業者選び:施工の知識があるかどうか
外構工事は外構工事の専門業者に依頼するのがベストです。外構工事の専門業者であれば外構についての豊富な知見があり、多くの外構工事を手がけてきた経験から押さえるべきポイントなどをわかっています。
また、外構工事の施工実績以外にも、コミュニケーション能力が高いことや工事中のマナーなどがしっかりしていることなども重要です。内装工事と違って、外構工事は常に人の目に晒されているので、出入りしている工事業者の立ち居振る舞いが家主の印象にも影響します。打ち合わせなどで円滑なコミュニケーションが取れることに加え、近隣住民にも気配りができる業者を選びましょう。
業者選び:相見積もりを取る
外構工事に限ったことではないですが、外構工事を業者に依頼する際には必ず複数の業者に見積もりを依頼し、その中から最良の業者を選ぶようにしましょう。相見積もりを取ることで相場費用がわかり、工事内容や内訳も確認できるので、不当に高い金額を払うようなことがなくなります。
心構え:将来のイメージから考える
外構工事は「なんとなく」のイメージでお願いしてはいけません。家族が将来どのような生活を営むのか、あるいは家族に将来どのような変化が訪れるのかなど細かくシミュレーションしてから、外構工事の細部を決めていきましょう。
まとめ
家を新築する際には、内装やインテリアだけではなく外構工事にも目を向けて、トータルに理想の家を実現することが大事です。
私たち高建は、創業平成13年の外構工事を得意とする老舗の工事業者です。私たちの提案は、デザイン性だけではなく機能性を重視しているので、使うほどに良さがわかる外構工事となっております。
まずはお客様のご希望やお悩みをヒアリングし、ご予算をふまえて最適な提案をいたします。外構工事をお考えでしたら、お気軽に高建までご相談ください。